友達婚~5年もあいつに片想い~
大樹の温もり。

これをあずは欲しかったんだ。

「ねえ、何であずに告白された事、黙ってたの?」

大樹は私を抱きしめたまま、無言だった。

「私、今日その事を聞いて、悲しかった。私の知らない間に、あずが傷ついていたなんて。」

「そんなの関係ないだろ。」

「関係なくない!だって、あずは私の親友なんだよ!?」

「じゃあ、俺が竹中と付き合えばよかったのか?」

胸にグサッときた。

あずが大樹と付き合う?

嫌だ。嫌だ。でも、あずだったら?

「梨衣の代わりに、竹中と結婚すればよかったか?」

あずだったら、嫌だけど、祝福していたかもしれない。

「俺は嫌だよ、梨衣。竹中に告白された時、俺は既に梨衣と結婚したかった。」

「えっ?」

私は涙を溢しながら、顔を上げた。
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