友達婚~5年もあいつに片想い~
「えっ?予約?」

「塚田が行くって言うから、慌てて店予約したんだ。」

胸がジーンとした。

好きな人が、私の為に店を予約してくれるなんて。

「行こう。こっちだよ。」

石黒が指さしたのは、駅とは真逆の方向。

私は駅周辺のお店は知っているけれど、駅から遠い方はまだ知らない。

そんな場所を知っている石黒は、私を未知の世界に連れて行ってくれる、そんな紳士のような気がした。

しばらく歩るくと、お店が集中している場所に来た。

「ここのね、右側にあるんだ。」

石黒についていくと、小洒落たお店が見えた。

「ここ、ここ。」

お店のドアを開くと、小さいながら、イタリアの雰囲気がバシバシ伝わってくるような雰囲気。

「いいだろう。前に取引先の人と一緒に来てさ。塚田を連れてきたら、喜ぶだろうなぁって思って。」
< 7 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop