友達婚~5年もあいつに片想い~
ああ、私。

今、すっごく幸せだ。


そんな日が流れて、私は絶好調の日々を送っていた。

「ふふふ。」

好きな人に愛されるって、人を強くするね。

「そうだ。今日の夕食、大樹の好きな生姜焼きにしよう。」

何をしても、大樹に繋がる。

生姜焼きは、大樹が初めて“美味しい”って言ってくれた料理。

それ以来、私の得意料理になっている。


そんな時だ。電話が鳴った。

「はいはい、誰だろう。」

ベランダからリビングに戻って、スマホを見た。

登録していない携帯電話。

怖くなって、一旦切った。

「やだな。間違い電話かな。」

スマホをテーブルの上に置くと、また同じ番号から、電話がきた。

「……はい。」

恐る恐る出ると、懐かしい声がした。

『梨衣か?』

「えっ?武蔵?」

それは、私の元カレ、武蔵からの電話だった。
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