友達婚~5年もあいつに片想い~
「どうしたの?」

何今頃になって、電話してきてんのよ。

『いや、今外に出ててさ。お前の家の近く通ったら、何か思い出しちゃって。』

私の家。

前に住んでいたマンションは、武蔵との思い出の家だった。

一時期は、半同棲のように、毎日通ってくれたりもしていた。

「あのさ、武蔵。私、もうそこには住んでいないんだ。」

『ああ、引っ越したのか。』

「うん。って言うか。」

私は息を吸った。

「結婚したの、私。」

しばらく無言が続く。

「だから、もう電話はいらない。」

『ああ、待て待て。』

電話を切られると思ったのか、武蔵が慌てている。

『結婚したのか。それはおめでとう。』

「ありがとう。」

『お祝いしたいんだけど、今日、会える?』
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