友達婚~5年もあいつに片想い~
「今日はちょっと無理。」

『じゃあ、明日は?』

「明日も……」

『だったら、明後日にしよう。』

半ば強引に、決められた感じ。

『なあ、昔のよしみだろ。』

「うん。」


もしかしたら、あのまま上手くいっていれば、私は武蔵と結婚していたかもしれない。

その考えが、無下に元カレを断れない理由にしていた。


『また連絡する。』

そう言って武蔵は、電話を切った。

「相変わらず、自分勝手な人。」

付き合っている時からそうだった。

自分であれこれ決めて、私には結果だけを教える人だった。

「明後日ね。」

本当は、明日でもよかったんだけど、今日の明日って、早すぎると思ったんだ。

「元カレか。」

ベランダから見える空を見ると、とても青かった。
< 75 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop