友達婚~5年もあいつに片想い~
用事から帰って来た大樹は、機嫌よく袋からサボテンを出している。

「梨衣、いいだろう。」

結婚して知った、大樹の趣味。

それは、サボテンを育てる事だった。

さっきまで私がいたベランダには、大樹が育てているサボテンが、いっぱいある。

「うん。分からないけれど、いいんじゃない?」

私ははっきり言って、サボテンの何がいいか、分からない。

どれも、同じように見える。


「あのさ、大樹。」

「ん?」

「明後日、私友達と飲みに行ってくるから。」

友達と言っても元カレだけど。

なぜか元カレって言ってはいけないような気がした。

「いいよ。友達って、竹中?」

「ああ……別な友達。大学の。」

「へえ。そっか。珍しいね。」

「えっ?」

私はドキッとした。
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