友達婚~5年もあいつに片想い~
「梨衣から、大学の友達の話聞くのって、初めてかも。」

胸がドキドキ鳴っている。

「ほら、結婚したから、お祝いしたいんだって。」

それは、嘘じゃない。

実際、武蔵もそう言っていた。

「ふうん。楽しんでくれば?」

「うん。ありがとう。」

「その代り……」

大樹が、私を後ろから抱きしめる。

「俺のご飯、作って行ってね。」

ぎゅっとされると、甘えられている気分がして、嬉しい。

「俺、もう梨衣の作ったご飯しか、食べられない。」

「そんな、大袈裟な。」

「大袈裟じゃないよ。」

後ろから大樹の温もりと共に、安らぐ匂いがする。


ねえ、大樹。

私、武蔵に会っても大丈夫だよ。

大樹がいる限り、私浮気しない。

武蔵が何やってきたって、撥ね退けられるもんね。
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