友達婚~5年もあいつに片想い~
私は胸がドキドキしてきた。

もしかして、告白するなら今日なんじゃないかって、思えてきて。

「いらっしゃいませ。2名様ですね。こちらへどうぞ。」

連れて行かれたのは、お店の端の席。

趣があるテーブルで、それが告白のシチュエーションを彩っているようにも見えた。

「何にする?ワイン飲む?」

「えっ!あ、うん。」

ワインなんて柄じゃない。

でも、今日は石黒と同じ物を飲みたい!

「お待たせしました。シャトー・ペイラボンでございます。」

「えっ?ペイ、ペイなに?」

「ペイラボン。フランスのボルドーワインだよ。」

と言われても、何が何だかさっぱり分からず。

ただ一口飲んでみて、重みがあるのが分かった。

「もしかして、ワイン初めて?」

「ううん。前に飲んだ事がある。」
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