友達婚~5年もあいつに片想い~
一瞬、息が止まった。

私は武蔵と付き合っている時に、大樹を好きになっていた。

別れるべきして、別れたと私は思っていた。

「……仕事が忙しくて、会う機会が減ったからじゃない?」

ありきたりな理由を言って、罪悪感を持った。

「そうだっけ。俺が?」

「……お互いじゃない?」

「そうか。」

武蔵は飲むスピードが早い。

もう一杯目のビールを飲み干していた。

「梨衣ってさ。俺と結婚したかった?」

困る。そんな質問は、ホント困る。

「そりゃあね。長い間、付き合っていれば。」

増々罪悪感が募る。

「俺達ってさ。」

「うん。」

「同棲でもしてれば、結婚したのかな。」

武蔵の真剣な表情。

「武蔵?」

久しぶりに見た。
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