友達婚~5年もあいつに片想い~
酔いが回ったのか、身体が熱くなった。

「そんな事、今、言われたって。」

「遅くなってごめん。」

頭を下げる武蔵は、あのチャラチャラして、ふざけていた彼じゃなかった。

「梨衣、確認したい。」

「何を?」

「俺達、あのまま続いていたら、結婚してたんだよな。」

「えっ!」

胸の中に罪悪感が埋めく。

確かに、このまま武蔵と付き合っていたら、結婚するかもしれないって、思ってた頃はあった。

でも、でも……


― 30歳を超えて、お互い独身だったら -


私はあの言葉を聞いた時。

その考えは、なくなってしまった。


― その時は結婚しよう -


それから、私は大樹に片想いしていたのだから。
「ごめん、分かんない。」

「はあ?何で?」

「だって、続かなかったのは事実だもん。それをもしもの話で言われても、分からないよ。」
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