爪先からムスク、指先からフィトンチッド
想像がつかないがなんだか愉快になる。仕事で自分の居場所とやりがいをみつけ、一風変わった恋人を得た。殺風景な部屋を見渡し、薫樹の部屋も似たようなものだったことを思い出したが、目を閉じても二人一緒だと香りが在る。確かにこれ以上のパートナーは望めないのだろう。何も持ってなくても何もしなくても安らぎと興奮を感じられる香りに包まれるのだ。(変わった人だけど……)とりあえず先々どうなるかわからないが、そばには居たいと思っている。
近いうちにムスクとフィトンチッドが混じりあい、二人だけの名香を作り上げるだろうか。
第一部 終わり
近いうちにムスクとフィトンチッドが混じりあい、二人だけの名香を作り上げるだろうか。
第一部 終わり