ステキな攻防戦
玄関に顔を出すと、もうすでに準備を済ませていた東夏さんがいた。

東夏さんの今日の格好は白のカッターシャツに黒のベスト、ブラックジーンズだった。

えっ、かっこよくない…？

スーツ以外での彼の服を見たのは今日が初めてだったので戸惑った。

背が高いうえにスタイルもいいのでシンプルなその格好はとてもよく似合っていた。

「佐奈さん？」

思わず彼に見とれてしまっていたら声をかけられたので我に返った。

「あっ、はい…」

私は返事をすると、
「行きましょうか…」
と、言った。

ちゃんと返事ができていただろうか？

靴を履いている間に東夏さんがドアを開けて待ってくれていた。

紳士だ。

私が先に外へ出たのを確認すると、彼は後から出てドアを閉めたのだった。
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