ステキな攻防戦
時間はまだあると言うのに、東夏さんともっと一緒にいたいと思っていること彼と結婚生活を続けたいと思っていることに気づいた。

ちょっと待て、まだ時間はあるぞ。

そんな中で東夏さんに絆されかけている自分に気づいた。

まだ時間はある、まだ表面のことしか見えていない、まだ中身を知らない。

そう自分に言い聞かせるけれど、東夏さんと一緒にいたい結婚生活を続けたいと思っているのは事実だ。

待て、まだ時間はある。

これは気の迷いだ、まだ中身を知らないのに、そんなことを思うのはまだ早過ぎる。

そう思っていたら館内が明るくなってきていることに気づいた。

「あっ…」

私がいろいろと思っている間にもう終わっていたことに気づいた。

こんなの初めてである。

「佐奈さん、行こうか?」

繋がれている手を引きながら、東夏さんが声をかけてきた。
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