ステキな攻防戦
他にも英語や中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語と多国の言葉を話すことができることや趣味は乗馬と美術鑑賞で、得意なことは料理とビリヤードだと言うことを教えてもらった。

「1回だけでいいから会ってみたらどうだ?」

父親に言われて、私は首を縦に振ってうなずいた。

その1ヶ月後、私は『エンペラーホテル』で彼と顔をあわせた。

身長は190センチ近くと言うところだろうか?

栗色の短髪に、雪国の出身なのかと聞きたくなるくらいの白い肌、端正なその顔立ちは、まるで人形のようだ。

一流の職人が全ての技術を注ぎ込んで作られた存在なんじゃないかと、彼を一目で見た私はそんなことを思った。

彼の隣に並ぶのが恥ずかしい…。

成人式の時に着た振り袖を身につけている私は、彼から少し離れることしかできなかった。
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