ステキな攻防戦
結婚生活の結末
早いもので、結婚生活も残り１週間となった。

昼下がりのリビングでソファーに座っている私はぼんやりと天井を見つめていた。

ーー佐奈さん、俺は君を連れて一緒にドイツへ行きたいと思っているんだ

いきなりそんなことを告げられた私はすぐに答えることができなかった。

「東夏さんはよく考えて答えを出してくれと言ったけど…」

その期限も残り１週間である。

私はピーチティーを口に含むと、テーブルのうえに置いていたスマートフォンに手を伸ばした。

琴美ちゃんと詩歌ちゃんに相談してみようと思いながら指で画面をタップしてアプリを開いたけれど…やめた。

ーー自分の気持ちと向きあうことも忘れないですね

いつか言われた詩歌ちゃんの言葉が頭の中に浮かんだ。

「今なんだ…」

私はスマートフォンをテーブルのうえに戻すと、目を閉じた。
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