ステキな攻防戦
結婚生活最終日のその日、
「お話があります」

仕事から帰ってきた東夏さんに私は声をかけた。

今日の夕飯はご飯、ハンバーグ、ミネストローネスープ、クルトンが乗っているグリーンサラダだ。

「これまた美味しそうな夕飯だな…」

テーブルのうえに並べられている夕飯に対してそう呟いた東夏さんは椅子に腰を下ろした。

「それで話と言うのは…」

そう切り出してきた東夏さんに、
「離婚を撤回します」
と、私は言った。

「あなたと１ヶ月過ごした結果、この結婚生活を続けて行きたいと思いました。

もっとあなたのことを知りたい、これからもあなたと一緒に過ごしたいとそう思いました。

なので…」

私はそこで言葉を区切ると、
「私をドイツに連れて行ってください」
と、東夏さんを見つめた。
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