黒川と私。
コンコンコン、ガチャ
「失礼します。あ、二年四組の榊原美耶と言います。」
「榊原さん?...どうしたのかしら?」
奥にはきれいな校長先生が。
「えっと、急にすみません。ここの学校の制服が今の物になったのはいつからなのか知りたくて...」
「入って頂戴。資料持ってくるわね。」
「あっ、はい。ありがとうございます」
や、優しそうな人で良かったぁ...
校長先生の話とかあんまり聞いてなかったから、めっちゃ美人で驚いたぁ...
「はい、どうぞ。」
「あ、ありがとうございます」
渡された資料はこの学校の歴史が書かれたものだった。
制服のページを開き、黒川が着ていた制服をさがす。
ペラペラとページをめくり、探す。
「あっ...」
「ん?」
これだ。この制服を着てたよ、黒川は。
「へぇ、三十四年前まで使っていた制服。昔の制服に興味があるのかしら?」
「............」
「?」
猫捜しのときに聞いたお爺さんは、三十年ほど前に似たような猫を見たって言ってたよね...
「......つながる...」
「え?」
「......黒川の着てた制服は三十四年前の、捜してた猫も三十年ほど前...」