黒川と私。



『生まれ変わる、とかじゃなくて、君がそのまま生きていた線で

 世界をちょっとだけ変えて、その時代に生きる。

 その世界でちゃんと死ねたら次のステップに進めるの。

 この方法だと、君の彼女の一つ上の歳っていう設定で、生きられるよ。

 あっ、もちろん、君の彼女以外の人でも君は見えるようになるからね。

 人間だから、幽霊じゃないからさぁ』



「へー、そんなこともできるのか...」



『ある程度、この時代の知識を身に着けてからね。

 そうじゃないと、「お前、何時代に生きてるんだよっ」って馬鹿にされかねないからねぇ』


「...確かに...」



『じゃあ、始めますか。まずは君に君の人生を与えよう。

 えーっと...産まれたときの記憶からっ!!

 最初のほうの記憶は勝手に消えていくから心配しないでね。

 印象深いものは残るかもだけど。

 そこ座って。...準備はOK?』



「...おぅ」



『ではでは、すたぁーーーとっっっ!!!!!』




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