黒川と私。
チックタックチックタック
規則正しい間隔で音を鳴らす時計。
チックタックチックタック
.........
「......んーー暇だぁーーーーーーー」
すると私の大声に反応するように
「うぅんんーー」
と、声が。
えっ何?!どこから声が?!
「...ま、まさか......ユーレイ...????」
「誰がユーレイだぁ...人間様だよ俺はぁ...」
シャッと音がして振り返るとベッドのカーテンを開けたイケメンが。
「.........イケメン......」
「あぁ?」
「...ん?...赤髪...短髪......ちょい切れ目.........首元に金色のアクセサリー............」
こっ...これは、ま、まさに...
「さ...朔也くんだっ!!!ヤバい!!
推しがっ!朔也くんがっ!が、画面から出てきたっっ!!!!」
「...さく、や?誰だ?そいつ」
「あ、あの、かの有名なシステムプリンスの主人公の幼馴染!!!二条朔也!!!」
そのぶっきらぼうな物言いと主人公にたまに見せる優しさのギャップがたまらんのです!!!!!!
そして、何よりイケメン!!!!
で、今っ!!
朔也くんが目の前にいるっっ!!!!!!!!!!!
「朔也くんっ!なぜここにいらっしゃるのですかっ?!?!」
「は?いや、俺朔也?じゃねーし。システムプリンスってなんだよ。初対面でキモいなお前」
ぐ...ぐはぁっ......
き...きもい...はさすがにくる......
それも、朔也くんの顔で......
「さ...朔也くん、じゃなかっ...たら、あ...あなたは、い...一体誰なんです...か......?」
「おぃ、どーした。大丈夫か?...てか、先にお前から名乗れよ」
「わ、私は榊原美耶、と申します...。すみません、言葉のダメージがっ...」
「よくわかんねーやつだな。あ、俺は黒川涼爾」
「黒川...お名前に合っていない髪色ですね...」
黒川なら黒くしてほしい...とオタクの声が漏れたところで急に黒川くんが
「保健のやついなくなったよな?」
と聞いてきたので、
「舞香は舞香っ!やつ、じゃないっ!!」
って言い返してやった。そしたら、
「うっせぇな。質問に答えろ、質問に!」
と、言い返されたので、仕方なく素直に答えてあげた。
「はいはい、答えますよぉーーー。
舞香なら出ていきましたよ。用事があるからって」
「そーかよ、じゃ俺は帰るから」
「...は?!え、舞香に言わなくていいの?!
...って、もういないじゃんあいつ...」
うーん、よくわかんなかったけど、まぁいっか。