キミへの気持ちが消える前に
「おはようございます。急だったのに車を出してくれてありがとうございます。これ、どうぞ食べてください」

と言ってお母さんと事前に選んだ菓子折りを渡す。

「え、丁寧にありがとうね。礼儀正しくて可愛い子じゃない。彰人にはもったいないわよ。今日はよろしくね華ちゃん」

母さんうるさいと彰人が横から文句を言う。

「え、なんで私の名前を?」

言ったけ?と不思議に思って聞いてみる。

「彰人が毎日のように『華は可愛い、華は優しい』って言うから覚えちゃったの」

「あ、母さんさっきから余計なこと言うなよ!」

え、あっきーお母さんに話してたの?

私のことを?

照れる。恥ずかしい……。
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