キミへの気持ちが消える前に
「華、右手出してほら」

?と思いながら、さっきもらったリップの袋を左手に持ち替えて右手を出す。

「人混みだからはぐれないように」

「ん?待って恋人繋ぎ……?」

無理無理。

これ以上心臓がもたないよ。

「あっきー嬉しいけどもし、知り合いがいたら恥ずかしいよ」

「あのさ、さっきも変な男に絡まれたでしょ。今日の華はいつも以上に可愛くて大人っぽいの。だから、俺が彼氏だってみんなに見せつけてんの」

可愛い?

大人っぽい?

私が?

あっきーそんなこといつも言わないのに?

これはクリスマスマジックですか

「……照れるからそれ以上褒めないで」

「そーゆーとこが華の可愛いところなの」

それ以上はあっきーの言葉を聞き流した。

だってもう彰人のせいで私の心臓は破裂しそうだったから。
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