キミへの気持ちが消える前に
バスに乗って30分。

バスは人が多いせいか空気循環が悪い。

窓はあるし換気はされているけどそれだけじゃ足りない。

それに気のせいかも知れないけど、実弘の顔色が悪い気がする。

「実弘、もしかして体調悪い?大丈夫?」

「酔っただけだから大丈夫.....」

「顔色悪いよ?道混んでてバス進まないし、あと2kmなら降りて歩いたほうが早そうだし」

朝早いのに香穂山に行く車で渋滞している。

実弘を気遣っているのもあるけどほんとに歩いたほうが早そうなのは事実。

とりあえず結と航大に次で降りてもいいか耳打ちする。

「うんもちろん、結たちも降りたほうが早いよねって話してたとこだし」

「ありがとう!」

「いえいえ。華に実弘は任せるわ」

航大はもしかしたら私が実弘のことが好きなのに気づいているのかもしれない。

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