キミへの気持ちが消える前に
香穂山は昼間ももちろん綺麗だけど夜になるとライトアップされる。

それを目当てに屋台をまわったりして時間を潰すことになった。

「俺、お腹空いたからお昼先に食べたいな」

「え、それな」

航大と結が意気投合する。

「私は軽食程度でいいかな。そんな空いてないし」

「俺も華と同じかな」

「じゃあ、ここから別行動して13時頃にあの大きい橋に集合でどう?」

「あ、結それいいじゃん。実弘たちもそれでいいだろ?」

「もちろん。13時に橋ね」

じゃあねーと結たちに手を振られる。

え。いや、ちょっと待ってよ。

今、実弘いいよって答えたよね?

さっき私ひどいことしたのに?

助けてくれた実弘の手を振り払ったのに?

なんで?なんで実弘は私に優しくするの?

期待してもいいってこと?
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