大嫌いの先にあるもの【番外編】
「僕とこうなった事を後悔してる?」
寝室のベッドで裸のままの私を抱きしめる黒須が言った。
黒須の左手の薬指には結婚指輪がある。今夜ほどその指輪を見て苦しいと思った事はない。
美香ちゃんを裏切ってしまった。
自分の気持ちを抑えられなかった。
目の奥が熱い。
「春音、泣かないで。大丈夫だから。美香には僕からちゃんと話すから」
「ちゃんと話すって?」
「美香とは離婚するよ」
「ダメだよ」
「どうして?」
「だって……」
美香ちゃんを悲しませたくない。相手が私だと聞いたらきっと傷つける。
「春音、美香を傷つけたくないんだね。だが、美香に春音との関係を隠したまま夫婦ではいられないよ。せめて最後は自分の口から本当の事を言いたいんだ」
「本当の事を言う事が誠実だって言うの?」
「嘘で誤魔化すよりはいい」
確かに嘘で誤魔化すよりはいいかもしれない。だけど美香ちゃんと姉妹ではいられなくなる。大事なお姉ちゃんなのに。
どうしたらいいの。黒須も美香ちゃんも失いたくない。
インターホンが鳴った。
「こんな時間に誰だろ」
ベッドから出た黒須がバスローブを着て寝室を出て行く。
嫌な予感がした。もしかして懐中時計を狙ったギャング!黒須が危ない!
寝室のベッドで裸のままの私を抱きしめる黒須が言った。
黒須の左手の薬指には結婚指輪がある。今夜ほどその指輪を見て苦しいと思った事はない。
美香ちゃんを裏切ってしまった。
自分の気持ちを抑えられなかった。
目の奥が熱い。
「春音、泣かないで。大丈夫だから。美香には僕からちゃんと話すから」
「ちゃんと話すって?」
「美香とは離婚するよ」
「ダメだよ」
「どうして?」
「だって……」
美香ちゃんを悲しませたくない。相手が私だと聞いたらきっと傷つける。
「春音、美香を傷つけたくないんだね。だが、美香に春音との関係を隠したまま夫婦ではいられないよ。せめて最後は自分の口から本当の事を言いたいんだ」
「本当の事を言う事が誠実だって言うの?」
「嘘で誤魔化すよりはいい」
確かに嘘で誤魔化すよりはいいかもしれない。だけど美香ちゃんと姉妹ではいられなくなる。大事なお姉ちゃんなのに。
どうしたらいいの。黒須も美香ちゃんも失いたくない。
インターホンが鳴った。
「こんな時間に誰だろ」
ベッドから出た黒須がバスローブを着て寝室を出て行く。
嫌な予感がした。もしかして懐中時計を狙ったギャング!黒須が危ない!