大嫌いの先にあるもの【番外編】
バスローブを羽織って、寝室を出た。
「春音。なんでここにいるの?」
リビングの入り口にコート姿の美香ちゃんが立っていた。
「まさか圭介と……」
バスローブ姿の私たちを見て美香ちゃんの顔が青ざめていく。
美香ちゃんのそんな顔、見たくなかったのに。
何か言わなきゃ。
「美香ちゃん、あのね。これは違うの。あの、ただ服が濡れちゃったから黒須にバスローブを借りただけなの」
美香ちゃんが床にある本を拾い上げ、こっちに投げた。
「信じる訳ないでしょ、そんな嘘。酷い。春音も圭介も、酷い」
次に次に美香ちゃんが本を投げてくる。
「美香、やめるんだ」
黒須が美香ちゃんの両腕を掴んで止める。
「落ち着きなさい」
「圭介、私の事を見ていないと思っていたけど、まさか春音だったなんて」
「すまない。春音を愛しているんだ」
「春音に手を出すなんて最低よ!」
美香ちゃんの平手が黒須の頬を打ち、パチンと鋭い音が響いた。
美香ちゃんが感情的に怒る所を見たくなかった。
全部、私がいけないんだ。私が……。
黒須を好きになった事がいけない事だったんだ。
でも、この想いを断ち切る事は出来ない。
美香ちゃんに何と言われようと黒須が好き。
「春音。なんでここにいるの?」
リビングの入り口にコート姿の美香ちゃんが立っていた。
「まさか圭介と……」
バスローブ姿の私たちを見て美香ちゃんの顔が青ざめていく。
美香ちゃんのそんな顔、見たくなかったのに。
何か言わなきゃ。
「美香ちゃん、あのね。これは違うの。あの、ただ服が濡れちゃったから黒須にバスローブを借りただけなの」
美香ちゃんが床にある本を拾い上げ、こっちに投げた。
「信じる訳ないでしょ、そんな嘘。酷い。春音も圭介も、酷い」
次に次に美香ちゃんが本を投げてくる。
「美香、やめるんだ」
黒須が美香ちゃんの両腕を掴んで止める。
「落ち着きなさい」
「圭介、私の事を見ていないと思っていたけど、まさか春音だったなんて」
「すまない。春音を愛しているんだ」
「春音に手を出すなんて最低よ!」
美香ちゃんの平手が黒須の頬を打ち、パチンと鋭い音が響いた。
美香ちゃんが感情的に怒る所を見たくなかった。
全部、私がいけないんだ。私が……。
黒須を好きになった事がいけない事だったんだ。
でも、この想いを断ち切る事は出来ない。
美香ちゃんに何と言われようと黒須が好き。