大嫌いの先にあるもの【番外編】
おまけ【Side 黒須】
「いらっしゃいませ」
春音のバイト先のDVD店に入ると、明るい声で出迎えられた。
レジカウンターに春音はいない。
いたのは小柄で優しそうな中年の女性だ。前に会員証を作った時に対応してもらった気がする。
名札を見ると『滝本』と書いてある。
春音がいつも話している滝本さんか。
恋愛ドラマが好きで、お子さんが2人いるって聞いたな。
「あの」
声をかけると、なぜか滝本さんが驚いたような表情を浮かべた。
驚かれるような声の掛け方をしてしまったんだろうか。
「あなたは……前に来たイケメン」
滝本さんが胸を手にあて、夢見るような表情で見てくる。
春音から滝本さんの話をよく聞くが、春音が言っていた通り面白そうな人だな。
「イケメンって僕の事ですか?」
「あ、いえ。失礼しました。何でもないんです。いらっしゃいませ」
切り替えるように営業スマイルを滝本さんが浮かべた。
「あの、聞きたい事があるんですが」
「なんでしょう」
「立花春音は今日こちらに来てますでしょうか」
「春音ちゃんの知り合いなんですか?」
「そうです」
「もしかして……」
じっと見つめられる。
春音のバイト先のDVD店に入ると、明るい声で出迎えられた。
レジカウンターに春音はいない。
いたのは小柄で優しそうな中年の女性だ。前に会員証を作った時に対応してもらった気がする。
名札を見ると『滝本』と書いてある。
春音がいつも話している滝本さんか。
恋愛ドラマが好きで、お子さんが2人いるって聞いたな。
「あの」
声をかけると、なぜか滝本さんが驚いたような表情を浮かべた。
驚かれるような声の掛け方をしてしまったんだろうか。
「あなたは……前に来たイケメン」
滝本さんが胸を手にあて、夢見るような表情で見てくる。
春音から滝本さんの話をよく聞くが、春音が言っていた通り面白そうな人だな。
「イケメンって僕の事ですか?」
「あ、いえ。失礼しました。何でもないんです。いらっしゃいませ」
切り替えるように営業スマイルを滝本さんが浮かべた。
「あの、聞きたい事があるんですが」
「なんでしょう」
「立花春音は今日こちらに来てますでしょうか」
「春音ちゃんの知り合いなんですか?」
「そうです」
「もしかして……」
じっと見つめられる。