恋と、嘘と、憂鬱と。
そんな関係は、意外に続き、月日が流れ、私は小学5年生。颯真くんは小学6年生になっていた。
「颯ちゃんも、来年から中学か〜。部活とか入るんでしょ?もうこっちに来るの難しくなっちゃうよね」
今日は8月25日。颯真くんが東京に帰ってしまう前日だった。
玲子さんに、夕食に招待された私はクーラーが効いた部屋で颯真くんと二人、テレビを見ている。
少し拗ねたような物言いになったのを感じ取ったのか、颯真くんがクスッと微笑んだ。
小さい頃は、女の子みたいだった颯真くんもそれなりに背が伸び、可愛いというカテゴリーから、格好いいカテゴリーへと成長を遂げていて。
そういえば、この前。私の家の真向かいに住んでいる中学生のお姉さん、眞子ちゃんが颯真くん見てはしゃいでたことを思い出す。