恋と、嘘と、憂鬱と。
茶碗にご飯をよそいながら、嬉しそうに微笑む和音さん。
そんな彼女を見ると、私も自然と笑顔になった。
…和音さんって、本当に癒やし系だよな〜。
「やった!楽しみにしてます!じゃ、これ持っていきますね」
「ありがとう。お願いね」
和音さんのそんな言葉を背中に受け、私はキッチンを後にすると。
「充希くん、煮込みハンバーグ持ってきたよ」
カウンター席に座る充希くんの目の前に皿を置いた。
そして、そのまま彼が座る隣の席に腰掛ける。
「…どうも。いただきまーす」
チラッと、隣に座った私に視線を向けつつも彼の視線は目の前のハンバーグをとらえていて…。
小さく合掌すると、一足早くハンバーグに手を付けはじめた。