恋と、嘘と、憂鬱と。
「えー!あの子、颯真くんなの??へぇ〜女の子みたいだったのに久々に見たら格好良くなっちゃって。ありゃ、都会の学校でも人気ありそうだわ。いいなぁ、季里ちゃん、颯真くんと仲良しで、羨ましい!」
キャピキャピと、テンション高めの眞子ちゃんに私は曖昧な笑みを浮かべる。
…なんでかな?颯真くんのこと格好いいって、眞子ちゃん…褒めてくれてるのになんか、モヤっとする。
颯真くんことを褒められるのは友達として嬉しいはずなのに。
もっと小さい頃は、颯真くんが褒められる度にまるで自分のことのように嬉しかったはずなのに。
いつからか、素直に喜べなくなってしまった自分が嫌で仕方がなかった。
そんな私の葛藤を感じ取ったのか、眞子ちゃんは、
「あら、季里ちゃんったら嫉妬しちゃって、可愛いんだから。颯真くん他の人にとられるの嫌なのね〜ふふ。初々しいなぁ」
ニヤニヤと、何とも楽しそうな笑みを浮べそう言い放つ。