恋と、嘘と、憂鬱と。

「…そうだね」

真凛ちゃんの言葉に頷きつつ、私は部室に向かう廊下を進んでいく。

そして、ようやく部室である化学室にたどり着き、扉を開けると…。

「あ、季里ちゃんたち最後だよ〜」

「2人ともお疲れ様。ホームルーム長かったみたいだね」

私達に気づいた美桜先輩が、最初に言葉を発し、続いて莉里花先輩がねぎらいの言葉をかけてくれた。


うわぁ…天文部勢揃い…!

おそらく、新入生の部活紹介以来だろう。


「季里ちゃんたち、こっちおいで」


と、手前に座っていた霧谷先輩が爽やかな笑顔で私に声をかけてくれる。

黒板付近には、遥奈先輩と仙道先輩が何やら楽しそうに話していて。

奥の窓側の席には、久瀬先輩の姿もあった。

やはり、これだけ目立つメンバーが集まっていると注目してしまうのが人の性だ。

「…眼福ね」

と、真凛ちゃんが隣でポツリと呟くのも頷ける。

< 123 / 405 >

この作品をシェア

pagetop