恋と、嘘と、憂鬱と。
「「遅くなって、すみません…!お疲れ様です」」
ペコリと、挨拶を済ませた私達は、とりあえず、手招きされた霧谷先輩の近くの席に腰を下ろす。
すると。
「大丈夫、俺達のクラスが早めにホームルーム済んだだけだし」
霧谷先輩がすかさず、そんなフォローを入れてくれた。
「そうそう。堀田たち気にしなくていいからな?…つか、それよりも、俺は久瀬を部室に連れてくる方が骨が折れた」
続けざまに、ハァと小さくため息をこぼした速水先輩が久瀬先輩をチラリと横目で見つめる。
「…確かに、久瀬くんが来てるの久しぶりだね」
「ほんと、ほんと〜」
驚く莉里花先輩に対し、ケラケラと、楽しそうに同意する美桜先輩。
彼女たちからそんな言葉が出るくらいだから、集まりに参加するのは本当に久しぶりなのだろう。