恋と、嘘と、憂鬱と。
しかし、当の本人は自分が、注目されているのも気にしていないのか、気怠そうにスマホを操作している。
「…ほんと、久瀬って相変わらずクールだね〜。私と莉里花はクラス違うからよく知らないけど〜」
美桜先輩が頬杖をついて、自分の長い髪の毛をクルクルと指先で遊ばせながら呆れたように口を開いた、その時。
「はーい!みんな、注目〜。そしたら、メンバーも揃ったところで天文部のミーティングをはじめまーす」
と、黒板側から声がかかり、私達は一斉にそちらに視線を移す。
声の主は、もちろん部長の遥奈先輩だ。
「…さて、みんなには事前にグループチャットでメッセージを送ってましたが、今回、新入部員の為に歓迎会をする予定です…!で、みんなに場所をどうするか希望を言ってねって話だったけど。なんと、新入部員の季里ちゃんが候補を提案してくれました!」