恋と、嘘と、憂鬱と。

一方、その頃の僕はというと。

『は?母さん、何勝手に決めてんの?あの場所は僕が高校進学決まったら住んでいいって話しだったじゃん』

と、母親の決定に断固反対していた。

『別にいいじゃない、あんたにはちゃんとこの家があるし、部屋もあるじゃない。彼女困ってるみたいだし…それに、緑葉谷高校なんですって!あんたも来年受けるんだから勉強とか教えてもらいなさいな』

あっけからんと、そう言い放つ母にオレは嫌そうに眉をひそめる。


緑葉谷高校は、この辺随一の進学校で、制服も可愛いと有名。
確かに僕自身も目標にしている高校ではあるけど…。


…気に入らない。


僕が入りたい高校に進学が決まってて、僕が欲しかった部屋を手に入れようとしている顔も知らない女。


正直、会う前から印象は最悪だった。


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