恋と、嘘と、憂鬱と。
はじめて会った時。
元々の印象が最悪だったこともあり、仲良くなれそうにないと感じた僕。
まぁ…強いて言うなら女子の格好をしている僕を見て、偏見を持たなかったのは…ほんのちょっとだけ、驚いたけど。
けど、一番驚いたのは…颯真くんの話に出てくる女の子が彼女だと気づいた時だ。
西宮颯真。
僕より2つ年上で、母親の友人、玲子おばさんの甥にあたる颯真くんは、彼が中学進学するまでは、よく遊んでくれていた。
僕のこと、本当の弟みたいに接してくれたし、僕自身にとってもお兄ちゃんみたいな存在で。
当時、近所に住んでいたこともあり、小学校の校区も一緒だった僕らはよく登下校時も一緒にしていたんだ。