恋と、嘘と、憂鬱と。

「二人の口に合えばいいけど、よかったらちょっと味見してみて？」

遥奈先輩に促され、私も真凛ちゃんもそれぞれ目に入ったクッキーを１つ手にとってひとくち食べてみる。

「んー！おいし〜！！」

「本当においしいです…！」

サクサクとしたクッキーは、口に入れた瞬間、バターの甘みが口いっぱいに広がった。

「先輩、これ…売れますよ」

真凛ちゃんがもう一つクッキーを口に頬張りつつそうつぶやくと私も賛同してコクコクと頷く。

「そんなに褒められると照れちゃうな。あ！でも季里ちゃんのハンバーグもすっごく美味しかったよ〜！私、全部食べちゃった」

と、遥奈先輩が笑顔で空のお皿を指さすと自然と頬が緩んだ。


「あ、ありがとうございます…喜んでもらえてよかったです」