恋と、嘘と、憂鬱と。
にんじん、玉ねぎ、じゃがいもに、豚肉。
今日はカレーかな?
「あ、ご飯もうなかったよ、炊き直そうか?」
そんなことを考えつつ、私は、豚肉を冷蔵庫にしまっている充希くんに声をかけた。
すると。
「あ〜っとに!…何で何も聞いてこないの?気になるでしょ、普通は!僕があの人達と何話してたとか、何であのタイミングでついっていったのとかさ!一応帰り道あんたに何聞かれるか、色々考えてたんだけど。普通になかったことにされても調子くるうって…」
しびれを切らしたように充希くんがそんなことを言い放つものだから、私も一瞬言葉に詰まる。
そりゃ、気にならないっていえば嘘になるけど…。
「だって、充希くんこそ特に何も言わないし…聞いちゃいけないのかと…思って」