恋と、嘘と、憂鬱と。


「…悪いけど僕、他力本願って好きじゃないから」


「…え」


ジッと、私を見つめる充希くんの口から出たそんな言葉に私は戸惑う。


「……自分で聞きなよ?聞きたいことがあるならさ。僕は、そうしたけどね」


そして、呆れたように私からサッと、視線をそらすと、キッチンの方へと足を進めた。


そんな彼を私はただ、見ていることしかできなくて。


本当に充希くんの言うとおりだ。

私の悪いところだな、すぐ楽な方に行こうとして…。


思わずキュッと、唇を噛み締めた。


その時。


〜♪


私のスマホの着信音が鳴り、思わずピクリと体がはねる。


和音さん…かな?


先ほどメッセージを送った和音さんが電話をかけてきたのだろうと思い、私はスマホの画面を見た。


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