恋と、嘘と、憂鬱と。
「…玲子さん、どうしたんだろう」
着信が切れたスマホを片手に私は、ポツリと呟いた。
何か思いついたような反応だったけど…。
あ〜もう。だめだ!今日は色々ありすぎて頭が回らない!
そう思い、私が小さくため息をこぼした時。
「…さっきから、電話長くて声かけそびれたけど…もう終わった?てか、電話の相手って…誰?」
と、キッチンの方から出てきた充希くんが少し不機嫌そうに私に向かって声をかけてきた。
「あ!充希くん。ごめんね。気遣わせちゃった…?電話、玲子さんからだったの」
「玲子さんって、玲子おばさん?颯真くんのおばさんの…」
「うん。そうだよ、充希くんは会ったことあるんだよね!玲子さんもさっき電話で充希くんのこと話してたよ」