恋と、嘘と、憂鬱と。
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「そういえばあの後、颯真に鍵届けに行ったら今度は俺が橋本に捕まるし…散々だったな」
そんな嫌な記憶まで、同時に思い起こされ思わず肩を落とす。
橋本先生には以前、通りすがりにピアスの穴を注意されて以来、目をつけられていた。
どうやら先生の思考では、ピアスの穴=不良というイメージのようで。
『ったく、お前みたいなヤツがいるから風紀がみだれるんだぞ!』
と、嫌味ったらしく言われた時は流石にムカついた。
…いつの時代だよ。
そうツッコミを入れてやりたかったが、さらに面倒なことが目に見えていたので、最近学校では適当にかわすようにしている。
「…っと、話、終わったみたいだな。とりあえずコンビニに入っとかないと」
充希くんがくるりと踵を返し、もと来た道を戻っていく姿に気づき、俺も慌てて数メートル先のコンビニに足を踏み入れる。
そして、そのまま雑誌コーナーに足を向け、
適当に目の前にあった雑誌を手に取った。