恋と、嘘と、憂鬱と。
パラパラと、手に取った雑誌をめくる俺。
とりあえず、立ち読みして時間つぶしてるフリに徹する。
すると、その数分後。
ゆっくりとした足取りで、コンビニに入ってきた颯真と目が合った。
「…話、終わったか?」
持っていた雑誌を棚に戻し、俺は颯真に声をかける。
「あぁ。まぁな」
「……」
「……」
予想はしていたが、充希くんとの会話の内容を語る気はないようだ。
途中からの沈黙がその証拠。
さてどうする。俺からきいてみるか?
表情には出さず、内心そんなことを考えていると。
「…充希は俺のおばさんの友達の息子。小さい頃近所に住んでたからよく遊んでやってたんだ。まぁ、会うのお互い数年ぶりだったから、声かけづらかったみたいだけど」
ポツリと、ひとり言でも言うかのように語る颯真に俺はあんぐり口を開いた。