恋と、嘘と、憂鬱と。
颯真というのは、私の1つ下の後輩。
彼とは中学時代から同じ学校で、それは天文部員の誰もが知っている事実。
しかし、中学時代に私たちが付き合っていたことは…誰にも話していなかった。そう今の彼氏の依都も知らない。
私が颯真と付き合っていた時、私は中学2年生、颯真は中学1年生だった。
ーーーー…
『ねぇ、遥奈知ってる?1つ下の学年にめっちゃカッコいい子がいるんだって〜!』
友達の理子がワクワクしたように私に向かって声をかけてきた。
『そうなんだ〜。理子って本当イケメン好きよね。あ!ごめん、私今から委員会だからまた今度話聞かせてよ』
『え〜、遥奈ってば本当マジメなんだから』
『ごめん、ごめん。じゃ、また今度ね』
つまらなさそうにムクレている理子にそう別れを告げ、私は足早に委員会がある空き教室に向かった。
ちょっと早めに来たからまだ誰も来てなかったりして…。
ガラッ。
そんなことを考えつつ、空き教室の扉を開けると、窓側に座っている男子と視線が合う。