恋と、嘘と、憂鬱と。
私と視線が合った時、その子は一瞬目を見開いた。
な、なに…?私知ってる子だっけ??
初対面のはずなのに、急に見つめられてドキドキしたのを覚えている。
綺麗な顔…。
もしかして、さっき理子が言ってたカッコいい子ってこの子かな?
あまりに私の顔を食い入るようにみてくるものだから。
『…なに?私の顔になにかついてる??1年生だよね…?』
つい私の方から声をかけてしまった。
『いや…別になんでもないです』
『ふーん?あなたも委員会にきたのよね?私、2年の峰岸遥奈。よろしくね。あなたは…?』
『にし……いや、久瀬颯真です』
なぜか少し口ごもり、名前を名乗る彼に興味がわいた。
なんで私の顔を見て驚いたような表情を浮かべたのかも。
そんな些細なめぐり合わせがきっかけで私と颯真は出会ったんだ。