恋と、嘘と、憂鬱と。

「颯真の中学時代…？」

「はい。私はその頃のこと全然知らないので…よかったらどんな感じだったのかなって聞きたくて…」

「ふふ。季里ちゃんって本当に可愛いんだから〜いいわ！私がわかる範囲で良ければ話してあげる」


そして、私はミズキちゃんが帰ってくるまで、季里ちゃんに中学時代の颯真のエピソードを話した。

そのエピソードを興味津々な様子で聞く季里ちゃんに思わず頬が緩む。


ねぇ、颯真。

あんたのことこんなにしっかり見てくれてる子がいるんだよ？

私はダメだったけど…。

きっと季里ちゃんならどんなあんたでもずっと側で支えてくれるのに…。

全く、何意地張ってるのか知らないけど…初めて会った時に嘘までついて本当馬鹿…後で後悔しても知らないんだからね。


心の中で颯真に対して、そう毒づきながら私は季里ちゃんに向かって優しく微笑んだのだった。