恋と、嘘と、憂鬱と。

そこまで言うと、少しだけしんみりとした気持ちになった。

その時。

「それで、季里はどうしたいの?」

「…私?」

「だって、颯真くんに会いたくてわざわざ、島を出て、緑葉谷高校受験したんでしょ?とりあえず、颯真くんと再会する目的は果たせたとして…今後はどうするつもり?」

真剣な表情で核心をついてくる充希くんに内心ドキッとする。

私、颯真くんと再会できたら前みたいな関係に戻れるはずって…そう信じてた。

小学生の時みたいに…くだらない話で盛り上がったり、また心の底から笑い合えるような関係になれるって。

でも、今の颯真くんには心音ちゃんに、遥奈先輩…私なんかよりもっとずっと大切な人達がいる。

「あ、れ…?なんでだろ…」

気づけば、ポロッと涙が溢れた。

あれだけ昨日泣いて、もうスッキリしたはずなのに。
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