恋と、嘘と、憂鬱と。
だって、こんな捻くれた感情…真っ直ぐで正直な充希くんには呆れらちゃうんじゃないかって思ってたから。
「…充希くんからはシャキッとしろって怒られるかと思った」
フフッと小さく微笑む私に。
「あのさ、僕だってそのくらい気持ちわかるって…というか」
やれやれと言った口調で、充希くんが私の顔に手を伸ばす。
そして。
「現在進行中で、僕もその気持ち抱えてるからね」
スッと指の腹で私の目尻に溜まった涙を拭いつつ、そんな爆弾発言をするものだから私は思わずカッと目を見開いて彼に詰め寄った。
「え…そ、そうなの?充希くんでも嫉妬とかしたりするの?てか、そもそも好きな子いたんだ…!」
「近いって!…ったく、さっきまで泣いてたかと思えば、今度はうるさいし」
「だ、だって…充希くんが急にビックリすること言うからさ…」