恋と、嘘と、憂鬱と。


「…何あれ?」


「い、いや。私もよくわかんない…かな?」

訝しげな様子で私に問いかけてくる充希くんに対して、私も首を傾げる。

「ふーん?てか、さっき、入口で何か話してたみたいだけど…何話してたわけ?」

「え、あぁ…えっとね…」


『…あ!それで季里ちゃん、充希のことはどう思ってるの?』という先ほどの和音さんの発言を思い出し、私は心の中で苦笑いを浮かべた。

たぶん、この話したら充希くんも困惑するだろうし、嫌な気持ちにさせるのもなぁ…。

そう考えた私は。

「ほ、ほら!遥奈先輩の話の続きだよ。あとは、今日どこに遊びに行ったのか〜とか世間話…?」

と、当たり障りない内容について、説明をしておく。

実際、この話題もカフェに着くまでの道中、そんな話で盛り上がっていたし、嘘ではない。

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