恋と、嘘と、憂鬱と。
2人が別人だったとして…私はどうしてたか…?
「それは…」
ストレートに投げかけてくる真凛ちゃんになんて返せばいいのかわからなくて、私はグッとおし黙ってしまう。
「今の季里見てると、すっごく我慢してるように見えるし、実際辛いでしょ?久瀬先輩は自分だけサッサと本当のこと言って楽になったかもしれないけど…だからさ、季里ももっとわがまま言っていいんじゃないの?」
「真凛ちゃん…」
「先輩に迷惑かけちゃうとかこの際、抜きにして…考えていいと思う。季里だってずーっと颯真くんのこと気にかけてさ、やっと再会できたんだよ?これじゃ、季里だけ辛いじゃん…あんたの好きな人の悪口言いたくないけど…私は久瀬先輩嫌い」
ギュッと胸が締め付けられるような気持ちになり、目頭が熱くなった。
私のために本気で怒ってくれる友達の存在に救われる。
「あはは。本当にそうだね、言われてみれば私ばっかり我慢して言いたいこと言えてないね」