恋と、嘘と、憂鬱と。
第11.5章 真凛side
「あ〜…もう!思い出したらめっちゃムカつく!!季里は優しすぎだって…!でも、今日みたいに愚痴る季里初めてだったな…」
自室のベッドで横になり、私、葉月真凛はボソッと言葉をもらした。
時刻は22時。
学校の課題もようやく終わり、そろそろ休もうかとベッドに入った私は、今日の昼休みの出来事を思い返していた――。
先ほど話題に出た、季里こと、堀田季里は私の高校でできた初めての友達。
しかも地元は九州の離島というから驚きだ。
見た目は、小柄で顔も可愛い。
さらには、性格も温厚で誰にでも優しい季里は、本人は知らないだろうけど密かにクラスの男子からも人気がある。
実際、天文部の先輩の霧谷先輩辺りなんかはわりとわかりやすくアピールしてるし。
と言っても霧谷先輩自身、どこまで本気でアピールしてるのかは正直私には測りかねるが…。
まぁ、季里自身は冗談くらいにしか思ってなさそうだしね。