恋と、嘘と、憂鬱と。
そんな思いがぐるぐると頭の中を駆け巡り、イライラが募った。
でも…。
『それでこの前遥奈先輩と会った時に二人で話をしたの…。真凛ちゃんには颯真くんのことずっと話したいって思ってて…ただ、何て説明したらいいか…。上手く話せる自信がなかったの』
季里にそう言われて、私の涙腺はあっけなく崩壊する。
季里のほうが、ずっとずっと我慢しているくせに…私のことまで気遣って、本当にお人好しなんだから…。
だからと言って私には話を聞いてあげるくらいしかできないのだけど…。
そう考えるとやるせない気持ちになった。
さらに。
『この前颯真くんとは先輩後輩として仲良くできたらって言ったし…。それに今更…ね?』
なんて言い出す始末。
あまりの物分りの良さに呆れを通り越して、心配になってきた私。
あぁ、もう…ダメだ。私が我慢できない…!
『でも季里、颯真くんのことと関係なしに、久瀬先輩のこと…好きだったよね?』
気づけばそんな問いかけをしてしまっていた。