恋と、嘘と、憂鬱と。

「久瀬先輩…それ本気ですか?」

「あぁ。本気だけど?」

そうあまりにもあっさりと肯定するものだから私のほうが面食らってしまった。

いったいどういう心境の変化なのだろう。

あれだけ、昔の颯真くんと関わりがある人たちとの接触を避けていたのに…。

私がモヤモヤと考え込んでいると。

「まぁ、いつも不参加の颯真が積極的なことは良いことよ…うん!よし、そしたらとりあえず夏休の合宿の第一候補は季里ちゃんの地元ってことで決まり!あとは、飛行機代とか親御さんの許可とか…色々準備があると思うし、いったん持ち帰りましょうか」

パンッと、軽く手を叩いて遥奈先輩がその場を丸くおさめてくれた。

「そうですね…!今日すぐに結論でないだろうし。私、とりあえず飛行機代1番安そうな日程に目星つけときます!」

「おぉ、真凛〜頼もしいじゃん、頼むね」

美桜先輩にそう言われた真凛ちゃんは、「まかせてください」と高らかに宣言する。
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